先日、東京にセミナーを受けて帰ってきた人が、私の顔を見るなり、「先生、イルカが自殺した話を知ってます?」と聞いてきました。


私には、さっぱりわかりませんでした。
よく話を聞くと、昔、私が大好きだった「わんぱくフリッパー」の調教師さんの話でした。


「わんぱくフリッパー」では、2頭のイルカが使われていました。
ドラマが流行ったので、調教師さんはとても有名になりました。
けれども、ドラマに使っていたイルカの1頭が、ある日、調教師の腕の中で呼吸することをやめてしまい、死んでしまったのだそうです。


彼女は、「イルカが自殺した」と言っていましたが、私は違うと思います。
イルカも脳の発達が犬と同じで2段階なので、自分の前途を悲観して自殺することは考えられません。

たぶん、過度なストレスがイルカにかかっていて、人間で言う過呼吸のような状態になったのではないでしょうか。

その調教師さんは、ショックでイルカの調教の仕事を辞めてしまい、保護活動をするようになったと話してくれました。


とても悲しいお話です。
しかし、犬も同じようなことが起こる可能性を私は強く感じました。

トレーニングも方法が間違っていなくても、無理をさせたり、過度な要求を犬に求めると、犬を追い詰めることになるかも知れません。


トレーニングは、あくまでも楽しく、犬と飼い主が向き合った形で行われなければならないと私は思っています。


私がアジリティをしないのは、自分の性格をよく知っているからです。
やりだすとムキになってやってしまう可能性があります。
アジリティは、とても危険をはらんだドッグスポーツです。
感情で行っていると犬を危険な目に遭わせることになりかねません。


私は、そんな自分をとめられないと思うのでやりません。

あなたは、自分の犬に過度な要求をしていませんか?
高度なことや、難しいことばかり求めていませんか?

もしかすると愛犬を追い詰めてしまっているかも知れませんよ。