先日、専門学校で授業している時に、学生たちにうちの犬たちに私が動くと反応することを観察させました。

寝ているビートにこっそりと近づくと私を見て、耳をふせながら顔を向け、そして頭をあげました。
ちょっと怒った顔で近寄ると舌をペロペロ出しました。

生徒たちに犬たちはとてもおしゃべりで私たちに常に話し掛けていると話しました。


実際に、私の犬たちは見事にいろいろと私の動きや生徒の動き、そこの環境から出される刺激に実にたくさんの種類の行動を見せてくれました。

生徒たちはその観察をとても楽しんでくれました。


トレーニングは、コミュニケーションであると思っていますので、こうした犬との会話がとても重要です。
オペラント条件づけと呼ばれる学習の理論も実際に使うには、犬を観察して行動の頻度や強さの変化が見れなければ意味がありません。

また、実験室で見つけられたこのような方法を実際の家庭で行うなら、もっと犬の気持ちについて把握していなければ効果的に行うことはできません。


犬の行動はじつにさまざまで奥が深いものです。
簡単に理解できるものではありませんが、行動はきっかけがなくては起きませんから、確実に行動を起こさせるきっかけを見つけて、犬の行動をコントロールせねばなりません。

そのためにも犬の行動をよく観察し、犬のどんな気持ちが行動を起こさせているのかを理解する努力をしなければなりません。


今日の夕方、ビートが散歩中に小さなヨーキーに出会い、吠えられて背中の毛を逆立てて大暴れし、私の左手に血が滲むような引っ掻き傷を山のように残す行動も冷静に判断せねばなりません。


そうすれば感情的になったり、不用意に叱ったりしなくてすみます。
「怖かったんだね。でも、あのヨーキーはあんたの頭よりも小さいんだよ。でも、大きさは関係ないんだね。確かにあのヨーキーの方が数倍元気な吠え方だったもんね。」
前回につけられた引っ掻き傷が落ち着いてあざのように残っている上に、また都会の高速道路の地図のように私の腕に刻まれたビートの心を私も理解する努力をしているのです。