夏のカンファレンスで同業者の「インストラクターの現状」というタイトルでの話を聞いてきました。


彼女が言っていた中で、「この頃、簡単にこの仕事ができると思っている人が多い。ちゃんとした技術、知識、経験が整っていないのに。」と話していました。


獣医師に比べて私たちの仕事はなんの規制もなく、ライセンスと血眼になっている人もいるけど、単に団体からのお墨付きをもらうだけに過ぎないのです。

自分が今日からトレーナーだ、インストラクターだと言っても違法ではないのですから。


そんな中でどれほど仕事としての意識を持って、技術、知識、経験の習得と向上に努めている人がいるのだろうと考えてしまいます。

ある団体のインストラクターは、資格を取るまでに愛犬と試験を受けなければなりませんが、「私は1期生」と自慢している人に限って、10年も前のまったく今とは違う簡単な試験を受けただけで一切その後に受けていない人が多いです。

自分のトレーニング技術の向上や維持を忘れて、どうして他人に教えることができるのか私には理解できません。


後輩の指導に参加していても、自分の犬は半年前とほとんど変わらない状態のトレーニング状況で「この犬種はトレーニングが難しい」と言い訳したり、講座が始まる前に仲間とのもめごとでキレそうになったからと仕事をほっぽりだしてサッサと帰ったりするのを見るたびに同業者と思われたくないと思ってしまいます。

というか、こんなんがプロだって顔していていいのか?と思ってしまいます。


また、私たちの仕事はサービス業であって、生徒さんたちに何をどれだけ出せるかについても話をしていました。
そのための技術であるコミュニケーションと指導技術は、その人がどれだけの情報や知識を自分に蓄積しているかで決まってくる側面も持っています。

私たちプロは、常に自分の技術の向上と知識、情報の習得に努力せねばならない宿命なのですが、なかなかそこにまで気がまわらず、他人の前で先生していることばかりしている人も多いのです。


驚いた話に、自分の仕事に常習的に遅刻している同業者は、「自分が売れっ子で忙しいから遅刻はしかたない」とスタッフに言っているとか。

プロとして言語道断だと私は思います。

犬との信頼がトレーニングで大切なように、生徒さんたちとの信頼は日々に構築されるのですから、約束は守らなければなりません。


この業界で働いている人たちに不足しているのは、職業意識ではないかと思っています。
私は動物看護士とトレーナー、インストラクターという職業の一般的な評価を上げたいと思ってきましたが、まわりの人の中で自分の行いが同業者全体に影響するということを考えないヤカラのおかげでなかなか実現できないことが悲しいです。


理想のインストラクター、理想のしつけ教室を追求していけるそんな仲間を増やしていければと思うばかりです。