動物に対して暴力的なことをする人は、男性に多いというデーターがあります。

自分の力を誇示するために弱いものを痛めつけて自分に力があると思いたいために動物虐待をするのだと言うのです。


そもそも、動物に対する人の考え方は、ヘブライ思想とギリシア思想という古い昔の哲学者や宗教家によって作られたものです。


ヘブライ思想というのは、旧約聖書などに『神が自分に似せて人間を作り、他の生き物を支配しなさいと言った』という教えによって、動物を支配するのは人間であると考えるようになりました。


ギリシア思想は、アリストテレスによって『理性のないものは、理性のあるものに利用されるのは当たり前である』という考え方がもたらされて、人間優位の考え方が伝えられたのです。

私たち人間の心の底には、こうした『人が地球上で支配的な地位にある』と強く思い込まされているのです。
また、動物愛護の考え方には、「動物の権利」を守ることを重視したアニマル・ライツ派と、「動物の福祉」を考えるアニマル・ウエルフェア派があります。


アニマル・ライツの考え
動物はその動物として生きる権利を有していて、たとえ人間でもその権利を侵してはいけないという考え方です。
動物の利用を全面的に否定している考え方なので、食用動物、展示動物など人間の勝手で生活環境を変えるなどしてはいけないと考えています。


アニマル・ウエルフェアの考え方
動物を利用するのは昔からのもので、これを変えることはできないが、利用するとしてもその動物の福祉(生活の質の向上)を守るべきであるという考え方です。

家畜として犬は人に利用されて、改良されてしまった生き物であるが、犬らしく暮らせるように飼い主は、努力しなければならないと言うのが動物福祉的な考え方です。
 
 
そして、大切なことは、その2つの考え方をバランスよく意識することです。

動物をどう見ているか、どう思っているのかという人の意識を動物観と言います。


この地球という星に住んでいる生き物全てが共生できるように、動物の権利や福祉にも意識を向けられる人間であらねばなりません。