オスワリやフセのような行動も条件を付けていくと複雑な意識の必要な行動となります。
例えば、歩きながらオスワリやフセの合図を聞いても犬が行動できるようにするには、行動にいろいろな意識を犬に持って貰わねばなりません。


そんな時によく言われるのが行動の細分化です。
行動を細かく分けなさいということです。

しかし、細かく分けることも難しいですが、分けた行動をつなぐ作業も知っておかなければなりません。


私が教室で見ている限りでは、生徒さんたちは細かく分けること、そして分けて教えた行動をつなぐことが苦手のようです。

行動を分けるには、その行動はどんな意識があって行動になるのかを考える必要があります。


そして、その行動を起こしたら、それを今度はきっかけにして次の行動への意識を引き出す必要があります。

スクールで練習する「ヒール体操」で説明すると、最初は前に移動します。前に1歩進んで飼い主が両足を揃えて止まると犬は、脚側でオスワリをします。

飼い主が前に1歩進み止まるというのが、きっかけになり犬は前に進んで飼い主の脚側に座るのです。

次の後ろに下がると、犬は前に進んで座ることがきっかけとなって後ろに下がって座ることを結びつき学習できるのです。

自分が行った前の行動をきっかけとして、次の行動を行うようにすると行動と行動は結びつきます。


どう結ぶかなどいろいろと考えられることはあります。
「ヒール体操」などの単純な行動であれば4つの動きを1つにまとめることが容易にできます。
前と後ろをまず結び付け、右と内回りの180度の回転を別々に結びつけて、前後ろを1つとし、右と内回りの180度の回転を1つとして結びつけるという考え方もありますし、前に後ろ、後ろに右、右に内回りの180度の回転を結びつけることもできます。

バックチェーニング逆連鎖のように最後からつないで行く方法もあります。
つなげる行動の種類によって結び付け方が異なるということです。


結びついたかは、4つの動きを犬がスムーズにすることで確認することができます。
行動が文字通り流れるようにスラスラと出たなら、結びつきができていると言えるのです。


行動を細分化したら必ずつなぐことをしなければならないのです。