多くの飼い主は、犬にごほうびを与えることで犬になにかを教えることができると思っています。

単に食べ物を出すだけでも、おもちゃを与えるだけでも、犬が学習することはありません。


犬は、結びつき学習をするので、ごほうびが自分のどの行動と結びつくのかを学ばせます。

言葉でこうして言うのは簡単ですが、実際にするのは難しいのです。


なぜなら、こちらが意図して結び付けたい行動を犬が結びつけてくれるかと言うとそうではないからです。


結びつき学習には、行動が出てから早い段階でごほうびが出されないと結びつきにくいのです。

また、行動が出ている時に、その行動を起こそうと犬が考えているのかが問題になります。

犬がもし別のことを考えながら行動していて、ごほうびを出されたなら行動と結びつくことはありません。


ですから、犬が正しく結びつけるまで何度もくり返して経験させる必要があります。
ただし、その時には、あまり同じような状況で起こることのないように、微妙に変化させる必要があります。

その微妙な状況での経験の作り方を私たちは、シェーピングと呼んでいるのです。

飼い主さんたちは、これが苦手です。

私が何度も何度もいろいろな形で教え方を教えても、うまく作れるようになる人はほんのわずかです。

犬の反応を見定めて、的確にごほうびを出すタイミングを変化させるのは、確かに難しいことです。

でも、これをマスターすれば犬の理解度は飛躍的にあげることができるのです。