ごほうびを簡単に考えてしまい、フードに頼ってフードでしか動かない犬にトレーニングしてしまう人をよく見かけます。
 
本人は、犬の喜ぶものを使ってトレーニングしていると思っているのでしょうが、どっこい、犬は人をコントロールすることを学習してしまい、犬のペースでトレーニングが進むことになってしまうのです。
 
ある人が、「フードを使うトレーニングが嫌だ」という理由を、私に聞かせてくれました。
「だって、犬が人に注目するのでなく、食べ物にしているだけなんですもの。
 私と一緒に何かをしようとしているようには、とても思えません。」
と言っていました。
 
犬の機嫌を取って、賄賂(わいろ)として出されたごほうびは、たとえフードでなくても犬のコントロール下になってしまい、犬は自分が人をコントロールできると思うようになってしまいます。
 
ごほうびを進化させる必要があります。
 
ここで使うのが、パブロフ博士が見つけた条件づけです。
パブロフ先生は、犬が食べ物ではなく、白衣を着た人にも食べ物と同じ反射
を起こす、ということを見つけ出したのです。
 
犬にとって私たちの「おりこうね。」や「グッド!」の言葉は、ただの音です。
このただの音を、自分にとっては良いものと思わせる学習が必要です。
その学習がパブロフ先生の条件反射なのです。
 
飼い主自身や、一緒にトレーニングすることや、ほめ言葉なども条件反射を使えば強力なごほうびとなります。


ライフリワードと呼ばれるごほうびを見つけてみるのもいいかも知れません。
生活の中で犬が良いことと学習したものは、たくさんあるはずです。
たとえば、「おさんぽ」という言葉、リードを持つ行動などで犬が喜べば、みんなごほうびとして使えるということです。
 
「ちゃんとオスワリして大人しくリードをつけさせてくれたら、散歩に連れて行ってあげるよ。」
 
これは、立派なライフリワードを使ったトレーニングです。
他にもいろいろあるはずです。
 
直接的に犬が好きなものばかりに頼っていると、犬はそのものにしか喜びを感じなくなってしまいます。
犬に飼い主と一緒にすることを楽しみやごほうびとすることが、関係作りでは大切なポイントであり、犬のトレーニングで重要なのだと私は思っていいます。


犬ともっと遊びましょう!
犬の好きな遊びを見つけてみましょう!