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(Update:2008-1-23 22:17:47)

昨年のIAHAIO国際会議から1

「動物虐待と家庭内暴力の関連性について」前編
フィル・アーコウ氏の講演より抜粋。
 
アーコウ氏は、アメリカ人道協会の理事長で、そこには動物虐待とそれ以外の家庭内暴力との関連を様々な形で研究しているセンターもあります。
また、レイサム財団の動物虐待及び、家庭内暴力防止プロジェクトの長も務めておられます。
彼の仕事は、人と動物の絆について、いろいろな形で研究することです。


人間と動物との関係は、大半がプラスの関係ではありますが、そうではない『動物虐待』も存在します。動物虐待を調査する人、児童相談所のケースワーカー、家庭内暴力担当ケースワーカーと言った人達が、それぞれの分野で専門家として調査していますが、必ずそこには、相互に関連性があることを認識する必要があります。動物が虐待されているような家庭においては、その家庭に住んでいる人間も非常に高いリスクでそういった虐待に遭う可能性があると言うことです。
家庭内暴力がある家庭にいるペットは、虐待される確率が非常に高いということです。
例えば、家庭内暴力が起きている家庭において、虐待する人は自分の家にいるペットに危害を加えることによって、相手に、例えば自分の奥さんなどに対して恫喝・脅迫したり、威圧したりします。
あるいは、奥さんが家を出て行かないように、奥さんを拘束させるために、ペットに危害を加えることもあります。また、性的虐待をするような大人は、子供に性的虐待をして、「このことを話したら、お前のペットを殺すぞ」と脅したりする場合があります。


また、児童の発育の分野では、子供は自分自身の攻撃性を動物に転化し、その動物を殺したり、あるいは動物を虐待したりすることで、何とか自分よりも弱い家庭内の対象物に自分の攻撃性を向けようとしています。


高齢者の場合では、自分では十分に面倒をみられないくらいの頭数の動物を家の中に集める人がいることも報告されています。


ひとつの事例を紹介すると、通報により警察が駆けつけたところ、荒れ果てた非常に不衛生な家の庭にやせ衰えたグレートデンを発見しました。
家では、残忍な形で暴行を加えられて死亡した4歳児の死体が発見されます。
その家には7人の子供がいましたが、そのうちの6人が何度も暴行を受けていたことが発覚しました。暴行を加えていた養父が逮捕され、子供に対する虐待、殺人で22年の刑を執行されました。


調査によって、逮捕される4年前に、この男性は、家庭内暴力で起訴されていました。
さらにその8年前には動物虐待で起訴されていたのです。


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