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(Update:2008-1-10 23:02:11)

第1話) よっちゃんとさくら

よっちゃんがさくらと出逢ったのは、ペットショップの犬の展示コーナーでした。
さくらは、ガラスの向こう側で、白い小さな塊りになって震えていました。
その頃、よっちゃんは、フレンチブルドッグという犬種を知りませんでした。
もちろん、その犬がパイドと呼ばれる毛色で、白い色が多いと犬の体に機能障害が起きる恐れが多いなど、思いもしませんでした。
とにかく、この子を救いたいと思ったよっちゃんは、フレンチブルドッグがとても高価な犬であることにも気付かず、買うことを決心したのでした。


自分のお金では足りず、お母さんに懇願してお金を借りてまでして、よっちゃんは、晴れて白いフレンチブルドッグを自分の部屋に連れて帰ってきました。
よっちゃんは、犬のことをあまり知りませんでしたが、それでも、その犬は、健康状態が良くないと思いました。
「獣医さんへ連れていかなければ!」
よっちゃんは、その子を抱いて、すぐに近くの動物病院に行きました。
受付で、名前を聞かれて初めて、よっちゃんは、犬に名前がないことに気がつきました。
病院のガラスのドア越しに、春1番がさくらの花びらを散らしているのを見て、「よし!この子の名前は、さくらにしよう!」と決めたのです。


獣医さんは、よっちゃんに思いもしないさくらの問題を、真剣な顔で語り始めました。
「さくらちゃんのように、体の色が白で瞳の色が水色なのは、遺伝的に障害がでることが多いのです。ちょっと気になったので調べたところ、さくらちゃんの耳は全く聞こえていません。それから、虚弱体質なので食事にも気をつけてもらわなければなりません。病院と長いお付き合いになることを、覚悟してもらわなければなりませんよ。」


よっちゃんは、びっくりしました。
「えっ!さくらの耳が聞こえない!ご飯を食べても太れないのは、もともと体が強くないからなんだ!」
よっちゃんは、ちょっとショックでした。
なぜなら、よっちゃんのお姉さんも、小さい頃に高熱を長い間出したために、耳が聞こえないというハンデキャップを持っているのでした。


小さな小さなさくらを抱いて、家に帰り着き、獣医さんから聞いた話をお母さんにしたところ、お母さんが少し遠くを見つめながらつぶやくように、
「そう、さくらは耳が聞こえないの。よっちゃん、きっとさくらは、ここに来る運命だったんだよ。あなたと出会う運命だったんだよ。」
と言いました。
それから、よっちゃんは、さくらのために犬のことを勉強する決心をしました。
まず取り組んだのが食事です。
栄養学も、そして生食も、セミナーに参加したり、資格を取るための講座に行くようになりました。


そして、次にホリスティックの勉強会に参加するようになりました。
いつもさくらがストレスをため過ぎないように、フラワーエッセンスを調合し、マッサージを習って、さくらの体をやさしくマッサージしてやれるようになりました。


「さくらともっと仲良くなりたい!」
健康をなんとか取り戻すことができるようになったよっちゃんは、さくらと一緒に何かやりたいと思うようになりました。
「そのためには、トレーニングをしなければ!でも耳の聞こえないさくらにトレーニングできるの?」
そんな不安を抱えて、よっちゃんは、あるしつけ教室を訪ねました。


しつけ教室の先生から、「耳の聞こえない犬でもトレーニングはできる」と言われてホッとしました。
犬は、ボディランゲージという会話の方法を使うので、見えていれば会話できることを教えてもらいました。


今流行っているクリッカートレーニングも、さくらにできると知りました。
クリッカートレーニングは、クリッカーと言う道具のカチンという音とごほうびを結びつける学習をさせて、犬が良い行動をしたらクリッカーを鳴らして、ごほうびを出すという方法です。

しかし、さくらは音が聞こえないので、できないと思っていたら、クリッカーの代わりにライトの明かりを見せてごほうびを出すやり方で、できると教えてもらいました。


そして、トレーニングを進めているうちに、よっちゃんは、さくらが耳が聞こえなくても、聞こえる犬に負けないくらいお利口であることに気付かされました。
トレーニングで、犬と会話することを学んで、さくらの気持ちを考えるようになった時、ふと自分のお姉さんと自分が会話していないことに気が付いたのです。
さくらのために色々な資格を取り、セミナーに参加し、講座を受けてきたよっちゃんは、次にお姉さんと会話をするために、手話の講座を受けるようになりました。
そして、手話でお姉さんと話を始めたら、お姉さんが色々なことを考えていることを知りました。


お姉さんは、耳が聞こえないというだけで健常者といると疎外感を感じていたり、仕事場で実際に連絡事項を伝えてもらえなかったりして、悔しい思いをしていたことを知りました。


そして、お姉さんの仕事場に行って、「どうか会議などに参加させてあげて欲しい」とお願いに行き、手話通訳を役所にお願いする方法などを説明しました。
「姉は、耳が聞こえませんが、他は何も問題がないので健常者と同じことができるのです。どうか、姉を特別扱いしないで、一緒に仕事ができるようにして下さい。」
とお願いしました。
午後からの日差しがまぶしいリビングで、よっちゃんの足にさくらが気持ちよさそうにもたれかかって寝ています。
よっちゃんの前には、にこにこしたお姉さんが、この頃の仕事場での待遇について手話で話を聞かせてくれています。


さくらの頭をなでながら、よっちゃんは、お姉さんに手話で応えながらふと思いました。


「犬は、自分の体に問題があっても悲しんだり、すねたりしないんだ。自分にできることをするだけなんだ。人間は、それに比べるとダメだなぁ。犬から学ばないといけないよなぁ。自分らしく精一杯生きるってことが1番なんだってこと、さくらが教えてくれたんだね。お姉ちゃんも私に話を聞いて欲しかったんだ。犬と話すことができたんだから、お姉ちゃんとも話ができるって思って、手話を勉強して良かった。」


自分が色々なことをできるようになったことで、さくらは元気になり、お姉さんは明るくなって自分の気付かなかったことを色々と気付かせてくれる存在になりました。
犬との出会いは運命だから、神様は、色々な演出をするのです。
よっちゃんとさくらが出逢えたことで、よっちゃんのお姉さんも救うことができたました。


犬は、人と人をつなぐ橋にもなるのです。


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